【5月5日 AFP】米国ではトイレットペーパー、メキシコではビール、フランスでは予想通り小麦粉──店舗の棚から消えた商品は、世界各地で人々がどのように新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)に対処しているかを映し出している。

 品切れとなった最も奇妙な商品は、アフガニスタンの紅茶だ。

 同国では口ひげを生やした、生まれたばかりの赤ん坊が紅茶を買うように忠告したといううわさが広まり、人々が店に押しかけた。フェイスブック(Facebook)で、「紅茶がこのウイルスの治療薬だということを告げるために、2時間だけこの世に生まれてきた」という言葉が添えられた口ひげを生やした赤ん坊の写真が拡散したのだった。このうわさはアフガニスタン東部ナンガルハル(Nangarhar)州から広まったとされている。どこにでもあった紅茶の価格は、一時3倍にまで高騰した。

 メキシコでは、テキーラと並んで人気のビールが対象となった。

 今では不幸な商品名となってしまった国民的ビール「コロナ」ブランドを持つグルーポモデロ(Grupo Modelo)と、ハイネケン・クアウモテック・モクテスマ(Heineken Cuauhtemoc Moctezuma)のビール製造大手2社が、全国的にロックダウンが敷かれたことを受け生産を停止すると発表したため、パニックによる買い占めが起こった。

 ブルガリアでは免疫力を高めるとされるショウガとレモンが、チュニジアではニンニクが買い占められた。

 世界的に最も人気があるのはお菓子作りだ。フランスやスペイン、ギリシャといった欧州のスーパーでは、小麦粉やチョコレート、イーストが品不足となっていると報じられている。自宅に閉じ込められた人々が、手の込んだケーキ作りに挑戦しているためだ。ロックダウンが解除された時、世界各国で新たなプロの料理人の一団が登場しているだろう。

 一方ロックダウン後のオーストラリアでは、全国の庭先で花が咲き誇っているかもしれない。「この1か月、あらゆる種類の植物の人気が高まっている」と、ホームセンター「バニングス・ウェアハウス(Bunnings Warehouse)」のアレックス・ニューマン(Alex Newman)さんは話す。

 オーストラリアでは長引きそうなロックダウンに人々が備え始めている。バニングスのオンラインで最も人気があるのは、成長の早い植物を用いて近所との間に、プライバシー強化のための仕切りを作るコツを紹介しているページだ。(c)AFP/Haider Husseini