エイズの失敗、コロナに生かして「公平性を」 UNAIDS事務局長
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【7月21日 AFP】国連合同エイズ計画(UNAIDS)のウィニー・ビヤニマ(Winnie Byanyima)事務局長(61)が、エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)との闘いでは、既存の治療を受ける機会がないがために世界で数百万人が亡くなっていると述べ、新型コロナウイルスとの闘いではより公平なアプローチが必要だと訴えた。
ビヤニマ氏はAFPとのインタビューで、出身地のウガンダで20年前、エイズを引き起こすエイズウイルス(HIV)に感染した友人のために、抗レトロウイルス薬の費用をみんなで苦労してかき集めたことを語った。「当時は月約800ドル(約8万6000円)だった……彼女の月収は100ドル(約1万1000円)に満たなかった」
友人のジェーンさんは、ある月は何とか治療費を集めることができても、次の月にはまた払えずに治療を休まねばならなかった。「薬の費用が年間1万ドル(約110万円)から100ドルに下がる半年前に、彼女は亡くなった」
ビヤニマ氏は約1年前、スイス・ジュネーブを拠点とするUNAIDSの事務局長に就任した。年次報告書の発表の際に行った演説では、40年前にHIV/AIDSのパンデミック(世界的な大流行)が始まって以来、エイズとの闘いは「目覚ましい進歩」を遂げたと称賛した。エイズによる世界の年間死者数は、ピークだった2004年の170万人から昨年は69万人とほぼ半減している。
一方で、治療法の開発と現在進行中のワクチン研究については、当初から民間部門に大きく頼っているとビヤニマ氏は指摘。また世界が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行という巨大な問題に直面する中で、そうした戦術に劇的な転換が必要だと述べた。