【7月14日 AFP】決起集会、戸別訪問、党大会──米大統領選の伝統ともいえるこれらの活動は新型コロナウイルス危機により妨げられ、選挙戦はオンラインへの移行を余儀なくされている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)現大統領とジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は戦略の練り直しを迫られ、結果判明には日数を要する可能性もある。

 従来の、息つく暇もないほどハイペースの選挙戦は忘れた方がよい、今年は違う、と専門家は述べる。だが、選挙結果に対する影響があるか、あるならばどのような影響かはまだわからないという。

 米国人の生活のあらゆる側面をひっくり返してきた新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が、大統領選の行程を恒久的に変えるかどうかを判断するのは時期尚早だ。だがパンデミックは、2020年という年にさまざまな方法で劇的な跡を残している。

■削減された選挙集会

 選挙前の夏は、相次ぐ集会で政治的メッセージに磨きをかけ、会食で有権者らと交流するなど、米大統領選にとって重要な時期だ。

 2016年の前回選挙では、6月下旬時点には、トランプ氏と対抗馬のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏はすでに会場を支持者で満員にしていた。

 ショーの達人であるトランプ氏は、今年6月のオクラホマ州タルサ(Tulsa)での集会など、大勢が参加する催しをすでに何度も開いている。そこでは参加した支持者の大半がマスクを着用せず、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を守っていなかった。

 特に開催地の感染状態が改善されない場合、トランプ氏がこのような集会を繰り返すかどうかは不明だ。トランプ陣営は今後の選挙集会の予定を発表していない。

 今年の選挙戦の従来とは違う側面を認めるバイデン氏は6月30日、新型コロナウイルスの流行が続く間は大規模な選挙集会は開かないと明言した。

 変更の可能性もあるが、目標は適切で安全な方法で選挙戦を戦うことだ。

 バイデン氏の選挙活動の広報を務めるマイケル・グィン(Michael Gwin)氏は「われわれの選挙活動が安全で責任感のある方法で行われることを担保するため、公衆衛生の専門家と緊密に連携している」とAFPに語った。

「新型コロナウイルスに対するトランプ氏の遅く一貫性のない対応と……ジョー・バイデン前副大統領が提供するであろう強く確固とした統率力との明らかな差異を強調するために、われわれはあらゆる利用可能な手段を使い続ける」