欧州は移民問題で「衰退」・「弱体化」 トランプ氏
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【12月10日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領(79)は9日公開されたポリティコのインタビューで、欧州は移民問題で「衰退」・「弱体化」していると批判し、最も古くからの同盟国の一部との亀裂を深めた。
トランプ氏の発言は、先週公表された「国家安全保障戦略(NSS)」での欧州が大量移民による人種入れ替えで「文明消滅」の危機に直面しているとの批判を繰り返すものとなった。
8日に行われたポリティコのインタビューで、トランプ氏は欧州の移民政策を「大惨事」と呼び、「ほとんどの欧州諸国は衰退している」と述べた。
さらに、「彼らはポリティカル・コレクトネスであろうとする。それが彼らを弱くしている。それが彼らを弱体化させているのだ」と指摘し、欧州の指導者の中には「本当に愚かな者もいる」と付け加えた。
このインタビューは、NSSを受けての欧州諸国の懸念をさらに強めるものとなるだろう。NSSは、移民問題について「欧州の現在の進路に対する抵抗を育む」と主張。「現在の傾向(大量移民による人種入れ替え)が続けば、20年以内に欧州はそれと分からないほど変わってしまうだろう」との認識を示し、「文明の消滅」を警告している。
専門家らはこの戦略について、極右勢力、そしてトランプ氏のかつての盟友イーロン・マスク氏が提唱する、白人が非白人移民に置き換えられ、最終的に「消滅」させられるという陰謀論「グレート・リプレースメント(大置換論)」の要素を一部に反映していると指摘している。
トランプ氏はポリティコのインタビューで、英国、フランス、ドイツ、ポーランド、スウェーデンなどの国々が移民によって「破壊」されていると主張した。
さらに、英ロンドン初のイスラム教徒市長であるサディク・カーン氏に矛先を転じ、「恐ろしく、悪意に満ち、忌まわしい」人物だと非難した。
これに対しカーン氏はポリティコのインタビューで、トランプ氏は自分に「執着」しており、トランプ氏統治下の米国よりも自身が統治するロンドンで暮らそうと米国市民が「群がっている」と語った。(c)AFP