■草の根運動

 対面で投票を促すなどの草の根運動が投票率の上昇につながることが、最近の選挙で証明されている。

 新型コロナウイルスの流行は大規模集会への参加意欲をそぐかもしれないが、投票率が鍵となる州では、マスクの着用とソーシャル・ディスタンシングを守れば、戸別訪問といった地道な活動を安全に行うことはできる。

 オンラインでの活動もある。民主党を支援する団体「Organizing Together 2020」は、ボランティアらが有権者に電話をかけ、メッセージを送り、バーチャルなイベントを開催するなどして、有権者登録を促しているという。

■バーチャルな党大会

 党の大統領選候補者を指名する全国大会は、政治における米国らしさをにじみ出させるものだが、今年の開催は危機に直面している。

 トランプ氏は、8月下旬にフロリダ州ジャクソンビル(Jacksonville)で共和党の指名を受諾する際は、大勢の聴衆の参加を要求している。

 しかし、フロリダ州は現在ウイルスのホットスポット(局地的流行地)になっており、ジャクソンビルでは公共の場でのマスクの着用が義務付けられている。支持者の中にはマスク着用に反対する人もおり、衝突が懸念される。

 バイデン氏は8月中旬の民主党の全国大会に姿を現すだろう。しかし、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)で開催予定の同大会は大部分がバーチャルとなり、無人の指名受諾演説となる見通しが高まっている。