【6月27日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は26日、ロシア軍の情報機関である参謀本部情報総局(GRU)が、アフガニスタンで米軍主導の連合軍の兵士らを殺害させるため、旧支配勢力タリバン(Taliban)系の武装勢力に報酬を払っていたと米情報当局が結論付けたと報じた。

 GRUは、英国で2018年にロシア出身の二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏を神経剤で襲撃するなど、世界各地で数多くの事件に関与してきたとみられている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は匿名の情報筋の話として、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はこの調査結果について今年3月に説明を受けたが、どう対応するかまだ決めていないと報じている。

 同紙によると、武装勢力は報酬を受け取ったとみられるが、アフガニスタンで米兵が死亡した事例のうちどれがこの件との関連を疑われているのかは明らかではないという。

 ロシアには、旧ソ連末期にアフガニスタンで、当時米国から支援を受けていたイスラムゲリラとの激しい戦闘の泥沼引き込まれた苦い過去がある。米国は、ひそかに小火器をタリバンに提供しているとしてロシアを非難している。

 同紙の報道によると、ロシアがタリバンの攻撃を支援する理由には米国が戦争に引き込まれた状態を維持するためといった幾つかの説がある。米国がロシアの傭兵(ようへい)をシリアで殺害したことへの復讐(ふくしゅう)をもくろんでいる可能性もあるという。ロシア政府はシリアでバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領とその政権軍を支援している。(c)AFP