【6月23日 AFP】米大リーグ(MLB)は22日、各球団のオーナー陣と選手間の激しい対立が最終局面を迎えたことで、短縮されたシーズンの開幕に近づいた。

 オーナーたちはこの日、3月に選手会(MLBPA)と交わした協定に基づいて2020年シーズンを開始することを満場一致で可決。この投票は、現状の行き詰まりを終わらせるべくリーグ側が新たに提示した今季の再開案を、選手会が拒否した後に行われた。

 米スポーツ専門チャンネルESPNの報道では、MLB機構が提示したレギュラーシーズン60試合と拡大プレーオフの開催案について、選手会側が反対33票と賛成5票で否決したと伝えられた。これによって、MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは各球団が今季の日程を大幅に縮小することを指示する可能性が出てきた。

 しかしながらMLBは、短縮されたシーズンの正式契約を前に、選手たちが7月1日までにトレーニングキャンプへ戻る準備ができるのかを、米東部時間23日午後5時(日本時間24日午前6時)を期限として選手会が確認するよう要請した。

 選手たちはまた、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連した安全衛生の規定を含む運営マニュアルの条項に合意しなければならない。

 今季のMLBは3月26日に開幕する予定だったが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で延期が決定。リーグと選手会はシーズンの開催案をめぐり、これまで激しく対立していた。

 選手が受け取る給与に関して、リーグ側は試合数に比例した額を提示してきた。これに対して選手会側は、年俸を削減することで3月に合意しているため、これ以上の減額を受け入れる必要はないと反発している。

 そして、選手会側が金額カットなしにできるだけ長い試合数を求めているのに対し、球団オーナー側は断固として反対している。

 選手会側が今回の提案を拒否したことで、マンフレッド氏は3月の選手側との合意を基に、48試合でシーズンを強行する可能性が出てきた。このプランでは選手は日割りの100パーセントが保証されることになっている。(c)AFP