【6月22日 AFP】新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期が続く米大リーグ(MLB)で、新型ウイルスの陽性反応を示した選手やスタッフがこの1週間で合計40人いたことが米紙USAトゥデー(USA Today)の報道で明らかになった。

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 今季の開催方法に関する話し合いは停滞しているが、同紙が匿名を条件にコメントを伝えた2人の関係者は、陽性が増えたことで交渉の危機感が高まったと話している。

 MLBは3月に予定されていた開幕が新型ウイルスの影響で延期になり、現在はオーナーと選手会(MLBPA)がシーズンの枠組みを話し合っているが、試合数に応じて給料を配分するだけでなく、給料そのものを一部削減したいオーナー側と、それを拒否する選手側とで意見が対立し、交渉が難航していた。

 その後MLBは、シーズン60試合で給与はその分を全額支給することを提案したが、選手会は21日に予定していたこの提案を受け入れるかの投票を延期した。MLB側はこれで合意の「枠組み」はでき、開幕へ向けたハードルは乗り越えたと考えていたが、選手側は70試合の開催を求めている。

 USAトゥデーによれば、MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)オーナーが選手会のトニー・クラーク(Tony Clark)専務理事にメールを送り、陽性の関係者が増加し、フロリダやアリゾナのキャンプ施設が閉鎖を余儀なくされた現状では、70試合開催は不可能で、60試合でも困難だと伝えたという。

 40人陽性が開幕のプランにどう影響するかはまだ不透明。リーグは今のところ、各チームのホームグラウンドで無観客で開幕することを予定しており、現在はキャンプ施設が閉鎖されたため、球団は開幕に向けた準備をホームタウンで行うよう言われている。

 開幕までには3週間の準備期間を設けると言われており、交渉の遅れから、7月19日か20日を目指していたシーズン開幕も翌週にずれ込む可能性が高い。リーグは9月27日にレギュラーシーズンを終了し、10月下旬から11月上旬までには、出場枠を拡大して行われるポストシーズンを完了したいと考えている。(c)AFP