【6月11日 AFP】米マサチューセッツ州ボストン(Boston)で、公園に設置されたクリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)像の頭部が何者かにより破壊される事件があった。同市警が10日、明らかにした。

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 米国では、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)の白人警官が黒人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんを死亡させた事件を受け、各地で人種差別に抗議する大規模なデモが発生。同時に、人種差別に関連する植民地時代の指導者や奴隷主の像の撤去を求める声が強まっており、米バージニア州の州都リッチモンド(Richmond)でも今週、コロンブス像が倒されたと伝えられている。

 今回被害に遭った像は、ボストン市中心部の公園で台座の上に設置されていた。同市警当局がAFPに明らかにしたところによると、警察への通報があったのは10日午前0時すぎ。逮捕者は出ていないという。

 この像は米国各地のコロンブス像と同様、長年にわたり議論の的となっており、これまでにも破壊行為の被害に遭っていた。

 イタリアの探検家コロンブスは米大陸の発見者として教科書で紹介されてきたが、米大陸で長年にわたる先住民の虐殺を招いた人物だと捉える人も多く、南北戦争(American Civil War)中に奴隷制度を支持した南軍の将軍と同様にたびたび非難の対象となっている。(c)AFP