【6月5日 AFP】フランス政府の科学諮問機関トップは5日、国内の新型コロナウイルスの流行は現在「抑制できている」との見解を示した。同国は3月から施行されていたロックダウン(都市封鎖)を慎重に緩和しているが、毎年7月に行われるフランス革命記念日(Bastille Day)の軍事パレードは中止が発表された。

 ジャンフランソワ・デルフレシ(Jean-Francois Delfraissy)氏はラジオ局フランス・アンテル(France Inter)に対し「特定の地域では依然として感染は起きている」「だがその速度は鈍化している」と指摘。「ロックダウン以前には1日に感染者が数万人出ており、3月上旬には1日当たり約8万人の新規感染者が確認されていた。今は1000人前後だと推定している」と語った。

 一方、フランス政府は4日、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)のため今年はフランス革命記念日の軍事パレードを中止し、代わりに新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と闘う医療従事者らへの感謝を示すと明らかにした。

 毎年7月14日にはシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りで兵士や戦車などによる行進が行われるが、大統領府によると今年はコンコルド広場(Place de la Concorde)で小規模な式典を行うという。

 このパレードはフランス革命のさなか、1789年7月14日に起きたパリのバスチーユ(Bastille)牢獄(ろうごく)襲撃を記念したもので、第1次世界大戦(World War I)以来、シャンゼリゼ通りで実施されている。(c)AFP