【6月3日 AFP】米大統領選で民主党候補指名が確実となったジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領(77)は2日、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)で演説し、黒人男性死亡事件を受けての抗議デモをめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が同国を「古くからの憤りと新たな恐怖により引き裂かれた戦場」に変えたと非難した。11月の選挙で自身が次期大統領に選出されれば、人種による分断の解消に取り組むとも言明した。

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 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響が米国に及んだ3月以降、バイデン氏が地元デラウェア州外で本格的な演説を行ったのはこれが初めて。

 ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で先月25日、白人警官から拘束されていた黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが死亡した事件を受け、米首都ワシントンのホワイトハウス(White House)前でも今月1日夜、抗議デモが発生。バイデン氏はデモ参加者に対する警察の力の行使を批判した。

 バイデン氏は「この国で最も歴史に残る教会の一角でのシャッターチャンスを逃さないよう、人々の家であるホワイトハウスの入り口付近で平和的に抗議をしていた人々が大統領の指示により、催涙弾や閃光(せんこう)発音筒で解散させられた時(中略)、大統領は道理よりも権力を重視していると考えてよいだろう」と指摘。自身が11月の大統領選で勝利すれば、長年の懸案だった警察などの改革を実行し「体系的な人種差別」問題に取り組むと明言した。(c)AFP