パンデミックでトランプ氏、医学的自説を大展開
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【5月26日 AFP】アメリカのみなさん、これからトランプ医師が診察します──ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は自分が医師でないことは認めているものの、自らの科学的才能については長らく確信しているようだ。そして新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は彼に数々の自説を試す究極のステージを提供している。
トランプ氏は18日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防策として2週間近くにわたり、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」を服用していると発表し、衝撃を与えた。トランプ氏はその理由として「良い話をたくさん聞いている」と述べたが、この薬のそうした使用効果は証明されておらず、米規制機関は非常に危険な可能性があると警告している。
一方、この発表はそれほど驚きでもなかった。トランプ氏は科学的な事柄になるとたびたび自説を展開し、たとえウイルスの流行の最中でもそれは変わらない。
4月に保健当局トップらと行った記者会見では、物質表面の除菌用消毒液をCOVID-19患者の「体内に注射して、すっかりきれいにできないだろうか?」と述べ、聴衆をあぜんとさせた。トランプ氏は翌日、あの発言は皮肉だったと述べたが、皮肉を示すような声の調子ではなかった。
大統領の独特の持論が最も顕著だったのはマスクだ。政府の専門家らが、ウイルスの感染拡大を遅らせる方法として世界中で認められているマスクの着用を推奨してからだいぶたっても、トランプ氏と側近らはマスクを使用していなかった。
今月、トランプ氏との接触があったホワイトハウス(White House)のスタッフ2人の感染が発覚してようやくマスクの着用が命じられたが、トランプ氏はそれでも応じなかった。21日の自動車工場視察の際にトランプ氏がマスクを着用したと報じられたものの、報道陣の前にはマスクを着けた姿を見せなかった。