【5月15日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガは今週末の活動再開に向けて厳しい衛生上のガイドラインを設定しているものの、同国のスポーツ医学の権威は、それでもサッカー選手が新型コロナウイルスのリスクにさらされ、キャリア終了につながる「取り返しのつかない」損傷を肺に受ける可能性があると警告した。

 欧州の他の国ではトップリーグの再開が少なくとも1か月後になる見通しとなる中、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)は、16日のリーグ再開に向けて厳格な規則を打ち出した。

 ガイドラインでは試合は無観客で行われ、会場に入れるメディアや関係者の人数も限られる。また、選手たちはピッチ上であっても接触が限定され、試合前の握手や得点を喜ぶハグも避けるように指示されている。

 しかしながら、独ケルン(Cologne)にあるドイツ体育大学(German Sport University)のビルヘルム・ブロッホ(Wilhelm Bloch)教授は、新型コロナウイルスに感染すれば、選手のキャリア終了につながる可能性があると警告しており、「トップ選手が持ち前のパフォーマンスレベルを失い、それを二度と取り戻せなくなるリスクがある」と、AFPとの電話インタビューで語った。

「一般的に、エリートアスリートは肉体的構造、免疫システム、心臓血管システムからして、そのリスクは低い」「しかしながら、現時点でそれが軽度の感染もしくは軽度の症状がだからといって、炎症を起こした後に肺に軽度の損傷が残るなどのダメージを受けないとは言い切れない」

「このダメージが取り返しのつかないものになるか、あるいは体が傷を修復するのに非常に長い時間を要する可能性がある」「欧州ではすでに感染した選手がいて、彼らが完全に回復するかどうかは、やがて知るところになるだろう」 (c)AFP/Christophe BEAUDUFE