【4月23日 AFP】男子テニスのジョン・ミルマン(John Millman、オーストラリア)は今週、新型コロナウイルスによるシーズン中断に苦しんでいる選手たちを救うため、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が構想を明かした数百万ドル規模の計画に対し、なぜ前から取り組まなかったのかと疑問を呈した。

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 ジョコビッチは18日、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と自身の「ビッグ3」で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によるシーズン中断で収入がなくなった下位ランクの選手たちを救う策を考えていると話した。

 ジョコビッチは友人でありライバルでもあるスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)とのインスタグラム(Instagram)でのやりとりで、「200位とか250位から700位、1000位くらいまでの選手の大半は、協会のサポートを受けられず、スポンサーもいない。自分一人でなんとかしなくちゃいけない状態のまま放置されている」とコメント。「200~250位から、特に700位までの選手は、今すぐテニスを離れることを考えている」とした。

 これに対し世界ランキング43位のミルマンは、下位選手の待遇は以前から改善されているべきであったと主張している。「世界250位から700位の選手を懸念していると言うが、なぜパンデミックが起きるまで気づかなかったのか?」「間違いなく何年も賞金は増え続けてきたが、われわれはもう少し分配しておくべきだったかもしれない」

 オーストラリアでは3番手のミルマンは、「カテゴリーの低いツアーに対する不公平さ」は、「トップに重きを置くスポーツ」に常に自身が抱えていた「心地悪さ」を示していると話す。「ツアーにおける苦しい戦いについてはしばしば言及してきた。自分はその低いレベルの中をしっかり生き抜いてきたからね」

 選手と男子プロテニス協会(ATP)、四大大会(グランドスラム)が「力を合わせて選手の救済基金を設立し、ATPが分配する」案を明かしたジョコビッチは、この計画で300万~450万ドル(約3億2300万~4億8400万円)を分配することができると試算している。(c)AFP