■試合中止に異議唱えたFCバルセロナ

 現在と同じように、当時もスペインサッカー連盟(RFEF)は、他国の主要リーグと足並みをそろえて大会を中断していた。ところが同国のスポーツ紙マルカ(Marca)によれば、FCバルセロナ(FC Barcelona)の会長を務めたジョアン・ガンペール(Joan Gamper)氏は、1918年10月にカタルーニャ選手権が開幕することもあって、これに反対したという。

 ガンペール会長はある委員会を組織し、「サッカーの試合は延期し、劇場や映画館等の会場は閉鎖して、大規模な公衆衛生上の措置を実施する」という地元保健局の方針に異議を唱えたという。

■スタンレーカップ

 北米アイスホッケーリーグ(NHL)のチャンピオンを決める1919年のスタンレーカップ(Stanley Cup)決勝は、シアトル・メトロポリタンズ(Seattle Metropolitans)とモントリオール・カナディアンズ(Montreal Canadiens)の間で争われていたが、カナディアンズのメンバー数人が感染したため、優勝決定戦となる第6戦の直前に急きょ中止が決まった。

 そのうちの一人で、第5戦の最中に氷上で倒れたジョー・ホール(Joe Hall)は命を落とし、マネジャーのジョージ・ケネディ(George Kennedy)氏も1921年、スペイン風邪の合併症が原因でこの世を去った。

 結局この年のスタンレーカップはチャンピオン無しという結果に終わり、NHLの歴史で王者が決まらなかったのは、このときとロックアウトでシーズンが実施されなかった2004-05シーズンだけとなっている。現在中断中の2019-20シーズンについて、リーグは再開して王者を決めたいと考えている。

■五輪は影響を逃れる

 新型コロナウイルスは2020年東京五輪に大きな影響を与え、最終的には2021年への延期が発表されたが、日本の感染症の専門家は同年の開催にも「悲観的」だと話している。一方、1920年のアントワープ五輪ではそうした劇的な展開は起こらず、スペイン風邪がすでに終息していたこともあって、予定通りに開催された。(c)AFP