【4月13日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって世界のスポーツ界が中断を余儀なくされる中、AFPは競技再開後には永遠に変わる可能性もある、長年の三つの慣習に注目する。

■タオルには触らない

 テニス選手が汗や血、あるいは1、2滴の涙でぬれたタオルをボールキッズに投げるのを見て、ファンが子どもたちを気の毒に思うことはよくある。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界に広がった3月、協会がこの問題に取り組むための措置を講じたことで緊迫感はより大きなものになった。

 兵庫県の三木市で観客を入れずに行われた男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2020)、日本対エクアドルの予選ラウンドでは、ボールキッズは手袋を着用することが義務付けられた。また、選手が自身のタオルを置けるようにかごも置かれた。

 男子プロテニス協会(ATP)は2018年、いくつかの大会で試験的にタオルラックを設置したが、すべての選手が喜んだわけではなかった。

 イタリア・ミラノ(Milan)で行われた同年のネクストジェネレーション・ATPファイナルズ(2018 Next Gen ATP Finals)に出場していたステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は、「必要なときにタオルを使うことができれば助かると思う。考えなければいけないことが一つ減る」とコメントしていた。

「選手にタオルとボールを渡すのがボールキッズの役目だと思う」

■握手はやめよう

 スポーツ界が中断を強いられる直前、サッカーの上位リーグでは試合前の握手が禁止された。

 イングランド・プレミアリーグで首位に立つリバプール(Liverpool FC)は、選手と共にピッチに入場するマスコットキッズの起用を取りやめ、サウサンプトン(Southampton FC)もサインの際に注意するよう選手に警告し、自撮りに応じることを禁止した。

 サッカー以外では、米プロバスケットボール(NBA)が選手に対し、ファンと交流する際にはグータッチにとどめ、ハイタッチは控えるよう勧告した。

 ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のレブロン・ジェームズ(LeBron James)は、ポッドキャスト番組ロード・トリッピン(Road Trippin)に「今後俺は残りの人生で誰ともハイタッチしない」と語った。

「ハイタッチはもうしない。コロナの問題が収まった後はどうか? 今後、俺がチームメートと握手をするのかお楽しみに」

 NBAの選手たちはまた、ボール、ジャージーなどを受け取ってサインを書くのは避けるよう推奨されている。

 女子サッカーの米国代表MFミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)は、握手やハイタッチの禁止を命じることは、どのみち逆効果になるかもしれないと述べた。

 ラピノーは3月、米誌ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)に対して「どの試合でもお互い体中に汗をかくことになるから、握手をしなかったところで意味はないようなもの」と話した。

■ボールへの唾つけ

 クリケットの歴史を通して、ボールへの唾つけ行為は高速ボウラーにとって実証済みの頼るべきものだった。

 しかし、スイングを誘うためにボールの片側に唾をつけるという時代は、新型コロナウイルスの影響によって終わりを迎えるかもしれない。

 オーストラリアのパット・カミンズ(Pat Cummins)は「もしテストマッチで(唾をつけて)ボールをみがくことができないなら、一人のボウラーとしてかなり厳しくなると思う」とコメントした。

「あの段階で感染が広まることを気にしていたら、プレーするかどうかは分からない」 (c)AFP