トランプ氏のWHO拠出金停止、国際社会から非難相次ぐ
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【4月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応を誤ったとして世界保健機関(WHO)への資金拠出停止を決定したことを受け、国際社会では15日、怒りと懸念の声が相次いだ。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はツイッター(Twitter)への投稿で、「無駄にできる時間はない。WHOは人々の命を救い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを止めるためすべての人々に仕えることにのみ注力している」と表明。その後インターネット上で開いた記者会見で「米大統領の決定を遺憾に思う」と言明した。
国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は「今は新型コロナウイルス対策を実施しているWHOなどの人道援助組織の運営資金を削減する時ではない」と訴え、「WHOはCOVID-19との闘いでの勝利を目指す世界の試みにおいて極めて重要であり、支援されなければならないというのが私の考えだ」と述べた。
中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官も深い懸念を表明し、「この米国の決定はWHOの能力を弱めるだけでなく、流行に対する国際協力を損なうものだ」と指摘した。
欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)はツイッターで、米国の決定を「深く遺憾に思う」と言明。ドイツのハイコ・マース(Heiko Maas)外相はツイッターに「他者を非難しても助けにはならない。ウイルスに国境はない」と書き込んだ。
フランスのシベット・ヌディアイ(Sibeth Ndiaye)政府報道官も遺憾の意を表明。英国はトランプ氏の決定を批判しなかったものの、米国には追従しない姿勢を示した。一方でフィンランドは、WHOへの資金拠出を550万ユーロ(約6億5000万円)に増額すると表明した。
ロシアのセルゲイ・リャプコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は米国の決定について、「パンデミックにより今世界で起きていることに対する米当局の極めて利己的なアプローチを示している」と指摘。イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はツイッターに、「世界は、イランがずっと以前から理解し、経験してきたことを学ぼうとしている。米政権の脅迫的・威嚇的かつ虚栄心の強いたわごとは、単に依存症であるだけではなく、人々を殺している」と述べた。(c)AFP