【4月14日 AFP】新型コロナウイルスをめぐり、悲惨な見出しや恐怖心を引き起こすデータ、強い不透明感などに世界が胸を痛める中、多くの人が「朗報」に触れることで自らを鼓舞しようと努めている。

 ここ数週間、明るいニュースを専門に取り扱うウェブサイトの利用者が大幅に増えている。米検索大手グーグル(Google)は、「良いニュース」の検索件数が今年に入り5倍増だとしている。

 米国で1990年代後半に開設された明るい話題の専門サイト「グッドニュース・ネットワーク(Good News Network)」の先月の訪問数は、通常の3倍となる1000万件を超えたという。

 同サイトを創設した編集者のジェリ・ワイスコーブリー(Geri Weis-Corble)氏によると、「人々は自分が住む地区や都市、州で起きた、前向きで気持ちを奮い立たせてくれる出来事のリンクを送ってくれる」という。

 ワイスコーブリー氏の話では、2001年9月11日の米同時多発攻撃や、10年前に発生した世界金融危機の後にも訪問数が急増。「人々は今朗報を切望しており、この傾向は続くと思う」と同氏はみている。

 ガーディアン(Guardian)やFOXニュース(Fox News)、ハフポスト(HuffPost)、MSN、ヤフー(Yahoo)なども、明るい話題に特化したページを開設している。

 医療危機関連の気がめいるニュースがあふれていることにより、疲労の色を呈し始めている人もいる。米首都ワシントンのある住民は「絶えず報じられる暗いニュースに引きずられてしまう人も多いと思う。メディアは取り扱う内容、特に怖い話や悪いニュースには気を付けるべきではないか」と語った。(c)AFP/Thomas URBAIN