【4月10日 AFP】フランスの競争当局は9日、米グーグル(Google)に対し、インターネットの検索結果に表示される記事や画像について、報道機関と著作権使用料の交渉を行い、支払いを開始するよう命じた。グーグルは、欧州連合(EU)で新たに施行された著作権指令の順守を拒否している。

 当局は、グーグルの行為は「支配的地位の乱用に当たる可能性があり、報道機関に深刻かつ直接的な損害を与えた」と指摘。「グーグルに対し、3か月以内に保護されたコンテンツの再利用の対価について出版社や通信社と誠実に交渉することを命じる」と発表した。

 この命令は、交渉によってグーグルが対価の支払いを提示するよう指示しており、フランスがEU加盟国の中で著作権指令を最初に施行した2019年10月にさかのぼって適用される。

 いわゆる「著作隣接権」に関するこの新指令は、ウェブサイトや検索エンジン、ソーシャルメディア上に報道機関のコンテンツを掲載する際に、使用料を支払うよう定めている。

 しかし、欧州における検索サービスを事実上支配しているグーグルは、記事、画像、動画は、メディア側が無料使用に同意した場合にのみ検索結果に表示されると主張し、新指令の順守を拒否している。

 グーグルは、メディア側が無料使用を認めなければ記事の見出しとリンクのみが表示され、メディア側にとっては記事が目に留まる回数や広告収入の減少はほぼ確実だと主張している。

 AFPを含む報道各社は昨年11月、競争規制当局に苦情を申し立てていた。(c)AFP