【3月7日 AFP】米IT大手グーグル(Google)が、性的虐待罪で起訴され、その後、無罪になった心理学者に関する報道記事を削除するようスペイン当局から命じられたことに不服を申し立てた裁判で、スペインの裁判所は6日、グーグルの訴えを一部認める判決を下した。一方で裁判所は、この男性の名前を検索した際に無罪判決を受けた記事を先に表示するようグーグルに命じた。

 氏名が明らかにされていないこの男性は、3件の性的虐待事件で罪を問われ、無罪判決を受けた。有罪になれば、禁錮27年が科される見通しとなっていた。

 この男性は、グーグルで自分の名前を検索すると表示される裁判関連の記事を削除するよう求めて訴えを起こし、スペインのデータ保護機関(APED)は2017年、訴えを支持し、グーグルに対して争点となった記事のリンク10件のうち8件を削除するよう命じた。

 これに対しグーグルは、記事は「公共の利益」に当たり、記事へのアクセスは言論の自由を保障する法律によって保護されるべきと主張。また、記事は現在の関心事であるため、データ保護の権利は適用されないと訴えていた。

 スペイン全国管区裁判所(National Court)は6日、表現の自由は個人データの保護よりも優先されると認める一方、グーグルは男性の無罪判決に関する最近の記事を先に表示すべきだとした。(c)AFP