【3月24日 AFP】米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は23日、同国アスリートの大多数が東京五輪の延期に賛成しているとの調査結果を公表し、大会日程を遅らせることを支持する姿勢を示した。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に直面している中、USOPCは7月24日から8月9日まで予定されている東京五輪の延期を要請するまでには至らなかったが、調査して情報を収集した結果、「大会延期に向けた道のりが最も妥当であることが、これまでにないほど明確になった」と明かした。

 USOPCは慎重に言葉を選びながら、「出場選手全員にとっての安全と公平を前提に大会を開催すべく、必要不可欠な手順を踏むように国際オリンピック委員会(IOC)に促した」とのコメント文を発表。

 また、国内の五輪およびパラリンピック代表候補約4000人を対象にした今回の調査では、回答者1780人のうち68パーセントが、予定通りに大会を開催して公平な競技ができるとは思えないとの認識を示したと明かした。

 さらに、「こうしたさまざまなアスリートの回答から導かれた最も重要な結論は、たとえ夏の終わりまでに現在の深刻な衛生問題が緩和されたとしても、トレーニング環境やドーピング検査、そして代表選考プロセスに及ぶ甚大な被害に、満足な方法で打ち勝つことは不可能である」とすると、IOCからの意見と指示を待ちながら、「米代表チームへの支援と世界の関係各所との全面協力に向けた準備を整えていく」と補足した。

 今回の調査結果は、五輪延期を求める声が国際的に高まっている中で判明した。米国では水泳連盟(USA Swimming)や陸上競技連盟(USATF)、体操連盟(USA Gymnastics)などの主要競技団体が、こぞって大会延期を要求している。

 調査が実施された38時間後には、新型コロナウイルスの拡大を防ぐための対策が、大半のアスリートのトレーニングに深刻な影響を及ぼしていることが浮き彫りとなった。回答者のうち、65パーセントが練習に重大な支障をきたしている一方で、25パーセントがまったく練習できない状況であると示された。

 また、社会的距離戦略や自主隔離など現地の規制により、87パーセントのアスリートがトレーニングに影響を受けているのに対し、何の不都合もなく練習が続行可能なのは10パーセント未満であることが報告された。

 調査では3分の2に迫る選手が、練習を続けることによって自分たちの健康がリスクにさらされる、もしくはその可能性があると考えていることが判明。さらに900人以上のアスリートの考えとして、大会の命運について一部では迅速に決めることが望ましいとする一方で、決断を下すのは時期尚早との声も上がっていることが明らかになった。(c)AFP