【3月24日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)の上級委員ディック・パウンド(Dick Pound)氏は23日、世界が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による混乱に陥っている中で、今年の東京五輪を延期するのは避けられないとの考えを示した。

 IOCは22日、大会日程の変更を求める声が高まっている中で、7月24日から8月9日まで予定されている東京五輪の命運について、今後4週間で結論を出すとの意向を示した。しかしながらパウンド氏は、IOCが大会中止の可能性を除外した上で、延期に向けた土台づくりに取り掛かっていると確信している。

 パウンド氏はAFPの取材に対し、「IOCのメッセージに関する私の解釈は、彼らが中止は望んでいないこと、そしてこのまま7月24日に開催できると考えていないということだ」とすると、「従って、Pワードすなわち延期(postponement)を模索している」と述べた。

「これからの道筋について日本側と選択肢を模索していき、それから各国際競技団体や各国内オリンピック連盟、そしてアスリートなどすべての利害関係者と話し合う」「その後、4週間のうちに努力してプランBを導き、具体的な時期を決めていくだろう」

 IOCの広報担当者は、パウンド氏の発言の真意について直接的な回答は示さず、「IOC委員の全員が、昨日当理事会が発表した決断について解釈する権利がある」とのコメント文を出すにとどまった。

 カナダ出身のパウンド氏は、世界中における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「すさまじい」流行によって、IOCには他に選択の余地がないと強調し、「このウイルスは7月24日までに消え去るものではない」「それに、9月や10月までに終息するものでもない。世界でも多くの大国がまさに圧倒されているところであり、アフリカでも根を張り始めている。私の見解ではもう行き場がない」と述べ、1年延期して2021年に開催することが最も可能性が高い選択肢との見解を示した。(c)AFP