ホームレスの人たちをカンヌ映画祭の会場に、新型コロナ対応 フランス
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【3月21日 AFP】フランス南部の都市カンヌ(Cannes)当局は20日、新型コロナウイルス流行を受けて開催が延期されたカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)の会場をホームレスの人たちに開放すると発表した。
世界最大の映画祭であるカンヌ国際映画祭は5月12〜23日に開かれる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期が決定。同映画祭の主催者は19日、6月末から7月初めへの延期を検討していると発表した。
カンヌの自治体当局は、路上で生活している人最大50人を、「連帯の象徴」として同国際映画祭の会場に収容することになったと発表。この会場は通常、会議や芸術イベントに使用されている。
カンヌ自治体のドミニク・オードラセ(Dominique Aude-Lasset)都市サービス局長補佐は、現在優先すべきは外出制限と、最も感染しやすい人を室内にいさせることだと説明した。
新型コロナウイルス対応として仏全土で実施されている外出制限の期間中は、人と人の接触機会を減らす「社会距離戦略」に関する規制に従い、ベッドや食事、シャワーの利用が可能となるほか、テレビも提供される。入り口では検温と荷物検査が行われるという。
同じく地中海沿いの都市ニース(Nice)でも、23日からホームレスの人向けに収容施設を開放するよう、市当局が同様の計画を進めている。
フランスでは20日、新型コロナウイルスにより過去24時間で新たに78人死亡したと報告され、同国の死者は累計で450人に達した。確認された感染者は1万2612人だが、当局は実際の感染者はこれよりはるかに多い恐れがあると警告している。(c)AFP