【3月4日 AFP】大会で試合を放棄するよう国から圧力を受けたことを明かし、イランを脱出した柔道男子のサイード・モラエイ(Saeid Mollaei)が、モンゴル代表として大会に出場することが国際オリンピック委員会(IOC)に認められた。これにより、モラエイは2020年東京五輪に出場できる可能性が出てきた。

 2018年の世界王者モラエイは、祖国とイスラエルとの政治対立に巻き込まれ、2019年の世界柔道選手権(World Judo Championships 2019)で、試合を放棄してイスラエルのサギ・ムキ(Sagi Muki)との対戦を避けるよう、国から指示されたと報じられている。結局両者は大会で顔を合わせることなく、モラエイは3位決定戦にまわり、ムキは金メダルを獲得した。

 これを受けて国際柔道連盟(IJF)は、イスラエル選手との対戦を許可しなかったイラン柔道連盟(IRIJF)に対し、無期限の資格停止処分を科していた。IRIJFは「虚偽の主張」に基づくものだと裁定に反発している。(c)AFP