【3月4日 Xinhua News】中国上海市の繁華街、南京路にある米スターバックス(Starbucks)の中国旗艦店「スターバックス・リザーブ・ロースタリー上海」がこのところ、営業を再開している。

 ガラス張りの店内ではスタッフが水色のマスクと手袋、一部はゴーグルも着用して忙しく働く姿が見られた。メインエントランスの看板には、1日の入店人数を限定し、開店時間も朝8時から夜8時までと表示されていた。

 2017年12月、スターバックス・ロースタリー上海は世界に数カ所構える新業態店の一つとしてオープンした。中国では唯一の店舗となり、新しいタイプのコーヒーやソフトドリンク、茶、酒類、パンなどのベーカリー商品、関連グッズを販売している。店内に設けられたシンボリックな巨大銅製ロースターとコーヒー焙煎(ばいせん)設備が人気を呼び、上海の新たな観光スポットとなっている。

 スターバックスは新型コロナウイルスによる肺炎に配慮し、1月下旬以降、湖北省(Hubei)の全店舗を一時閉店した。その他の省では約半数の店舗で営業を続けている。体験型のサービスを提供するロースタリー上海は1月27日から一時閉店していた。

 先月中旬より静安区の関係部門と協議を重ね、複数の営業再開プランを検討し、関係各方面の協力で2月26日からの営業再開にこぎつけた。

 1日に現地を取材すると、面積2700平方メートルの同店は出入り口を減らし、マスクと手袋をしたスタッフ2人が全ての入店客に検温と手の消毒、連絡先などの登録を求めていた。

 これまでの混雑感とは打って変わり、店内にはゆったりとテーブルが広い間隔を空けて置かれていた。スタッフによると、少なくとも半数の椅子を撤去して安全に飲食ができる距離を取った。注文と会計は非接触型のモバイル決済を採用している。

 スターバックスのケビン・ジョンソン(Kevin Johnson)最高経営責任者(CEO)はこれに先立ち「感染状況の推移には細心の注意を払っており、闘いの勝利は近いと確信している」との考えを示し、「中国のスタッフが言う通り、コーヒーのように力強く行こう!」と呼び掛けていた。

「BE STRONG LIKE COFFEE(コーヒーのように力強く)」とは本来、コーヒー豆が厳格な管理による採取、輸送、ひきを経て最終的に一杯の味わい深いコーヒーとなることをたとえており、「練磨することで芳醇(ほうじゅん)になる」という意味が込められる。中国のスタッフは今回、この言葉を「逆境の中でより強くなろう」という互いへのエールに置き換えた。

 中国本土のスターバックスは2月末時点で、85%の店舗が営業を再開している。(c)Xinhua News/AFPBB News