【3月2日 AFP】世界保健機関(WHO)は1日、新型コロナウイルス感染者が重症化した場合に備えるため、人工呼吸器を十分確保するよう各国に呼び掛けた。

 WHOは新型コロナウイルス感染症「COVID-19」に関する最新の状況報告の中で、重症患者の病状の進行を抑える主な治療介入として高濃度の酸素を吸入させる酸素療法があると指摘。指先などに付けて動脈血中の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーター(脈波型酸素飽和度計)や医療用酸素装置を最大限に利用できるようにしておかなければならないと各国に呼び掛けた。

 また感染の早期発見と、適切な感染予防・管理(IPC)対策の実施、軽症患者の症状に対するケア、重症患者の症状を軽減させる支持療法の重要性を訴えた。

 WHOによると、新型コロナウイルスは60歳以上の人や、すでに別の疾患がある人への影響が特に大きい傾向がある。新型コロナウイルスに感染した患者の大半が軽い症状を訴えるのみである一方、およそ14%が肺炎などの重い症状を呈し、5%が重症になり、命に関わることもある。

 WHOは、新型コロナウイルス感染症の致死率は2~5%とみられるが、重症患者に限れば致死率は50%を超えるとの報告があると警告し、迅速な「肺を保護する人工呼吸などの救命処置を最適化する必要がある」と強調した。(c)AFP