東京が第二の武漢に? 中国人が日本の感染拡大を懸念
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【2月26日 東方新報】中国は依然として新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻な国ではあるが、中国の世論の見つめる先には日本がある。
中国で最近、大変なデマ記事が流れた。「日本の安倍晋三(Shinzo Abe)首相の元を取材に訪れた記者が、新型コロナウイルス感染者と接触したため隔離された。安倍首相も感染した疑いがある」「護衛の警官が安倍首相の身柄を保護し、健康状態を観察中」という記事だ。
「共同通信社(Kyodo News)の首相官邸担当の記者10人がウイルスに感染したタクシー運転手と接触した恐れがあり、自宅で経過観察中」というニュースが、中国に伝わる過程で最後は「安倍首相が隔離された」という話に変化したものだった。
こんなデマ記事も、日本の感染拡大が注目されている表れの一つだ。
しかし、日本のウイルス感染に関する流言飛語は、中国の世論が日本の状況悪化を心配しているからでもある。
中国のウイルス感染が爆発的に拡大した初期に、日本は中国国民に対し、他の幾つかの国のような厳格な入国制限を実施しなかった。同時に、日本政府と民間は中国にたくさんの物資を援助して激励した。このような日本の対応が中国国民の称賛を得た。
日本でウイルス感染が拡大するにつれ、中でもクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)」で発生した大規模な集団感染を見て、日本に対する中国の世論は関心から心配に変わった。
中国での大量の感染と死者数、大規模な封鎖措置は、新型ウイルスの危険性を中国人に理解させた。しかし、日本は、中国と異なり、国内で数百人の感染例と死亡例、感染経路不明の症例もとめどなく増加する中、ダイヤモンド・プリンセスから下船した人を自由に自宅に帰らせたり、会社や学校に行かせたりしたほか、集会の開催も禁止していない。
都市の通勤ピーク時間帯の電車は依然として人でいっぱいだ。このことは中国人から見ると、驚くべきあきれた状況といえる。「日本人は心が広いのか? 本当に恐れてはいないのか? それとも無知なだけか?」「こんな状態が続けば、東京はきっと第二の武漢(Wuhan)になる」といった声も聞かれる。
日本政府と民間からの中国への防疫物資の寄付のニュースに対して、中国のインターネットでは「もう送ってくれなくてもいい。自分用に持っておいてくれ。あなたたちのことの方が心配だ」という反響もある。
最近、日本の検査キット不足の問題を緩和するため、中国が日本の国立感染症研究所(NIID)に検査キットを寄贈した。また、マスクをするよう、在日中国人ボランティアが日本の街頭で道行く人たちに無料でマスクを配るということまであった。
今のところ、感染がどのように拡大するか予測はできない。適切な対応を行うため、市民には防疫に関して、より多くの知識と情報が必要だ。(c)東方新報/AFPBB News