【1月28日 AFP】シリア政府は27日、同国沖の地中海で、水中工作員によって仕掛けられた爆発物により、バニアス(Banias)製油所とタンカーを結ぶパイプラインが損傷を受けたと明らかにした。製油所は操業を続けているという。

 石油鉱物資源省は、「複数のテロリストとその支援者」がバニアス沖のタンカーの係留場所を攻撃したと発表したが、容疑者の身元などに関する詳細は公表していない。

 アリ・ガーニム(Ali Ghanem)石油鉱物資源相は国営テレビで、タンカーから積み下ろした原油を運ぶパイプラインに損害を与えるため水中工作員らが「爆発物」を取り付けたと述べ、「修理のため、また原油やその他の石油派生物の作業を継続する代替手段を稼働させるため、技術者らがただちに損害状況の調査を始めた」と付け加えた。攻撃された係留場所は沖合3キロの位置にあり、設備は23メートルの深さにまで延びているという。

 昨年6月、シリア政府は外国の集団による攻撃でタンカーとバニアスのターミナルをつなぐ海中パイプライン6か所が損害を受けたと発表したが、その集団の名称などは明らかにしていない。

 シリア政府は、およそ9年間続いている内戦で主要な油田の支配権を失い、炭化水素資源の輸入を余儀なくされている。シリアの炭化水素資源輸入は、欧米諸国によるシリアへの経済制裁や、シリアを支援しているイランに米国が科している制裁措置によって困難になっている。(c)AFP