無防備でトイレ汚水槽を掃除、清掃人の苦しみの人生 ブルキナファソ
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【12月22日 AFP】西アフリカのブルキナファソで、トイレの汚水槽の清掃人として働くサワドゴさん(45)は、防護服を身に着けることなく3メートル下の汚水槽に潜り込み、シャベルで汚物をバケツにくみ、バケツを外へと運び出す。
サワドゴさんは、同国に数百人いるとされる汚水槽の清掃人として、時には健康上のリスクも抱えながら、わずかばかりのお金を稼ぐ。ふん尿で汚れたジーンズをはいたサワドゴさんは、「割れたガラスや瓶、注射器がしばしば見つかるけれども、防護服を身に着けずに15年間この仕事をやってきた」と語る。
13年間この仕事に従事しているゾンゴさん(38)は、「手袋やブーツは作業の邪魔になることが多いから、結局着けなくなった」と説明した。
清掃人たちは汚物に身をさらすことで、コレラや腸チフス、肝炎に感染するリスクがあり、切り傷を負えば破傷風や敗血症にかかる恐れもある。
仕事の報酬は汚水槽の大きさによって異なり、1回当たり1万5000~2万5000CFAフラン(約2800~4600円)が相場だという。
首都ワガドゥグの市当局によれば、住民300万人の半分超が、トイレのくみ取りを清掃作業員に頼っている。
2人の子を持つゾンゴさんは、この職業につきまとうレッテルに絶望しており、「われわれはその日暮らしだ」「11歳の娘は、私が汚水槽の清掃人だという理由でクラスメートたちからからかわれている」と嘆いた。
皆が嫌がるこの仕事をできる限り長く続けたいと考えているサワドゴさんでさえ、「わが子にはこの仕事をしてほしくない」と話す。
清掃人の権利のために活動する組織の代表者は、「汚水槽の清掃人らは社会の隅に追いやられ、忘れられ、置き去りにされている」と語った。(c)AFP/Armel Baily