【12月18日 Xinhua News】中国水利部の蔣旭光(Jiang Xuguang)副部長はこのほど、「南水北調」プロジェクトの東ルート、中央ルート運用開始5周年を記念した国務院新聞(報道)弁公室の記者会見で、水の供給規模は5年間で300億立方メートル近くに達し、1億2000万人が直接恩恵を受けたことを明らかにした。

 中国南方地域の水を北方地域に送り、慢性的水不足解消を目指す「南水北調」プロジェクトの東ルート、中央ルート第1期工事が竣工し、運用を開始してから満5年がたった。蔣氏は「江蘇省(Jiangsu)、安徽省(Anhui)、江西省(Jiangxi)は今年、数十年ぶりの干ばつに見舞われたが、南水北調プロジェクトとその他の関連プロジェクトによる水の供給で大いに緩和された」と語った。

 また、東ルートと中央ルートの運用開始により、華北地域の利用可能な水資源が効果的に増加したと指摘。河川・湖沼、湿地の面積は顕著に拡大し、生態系の悪化が効果的に抑制され、沿線の生態文明(エコ文明)建設を促進したとの見方を示した。水の供給を受けた地域では、水を大量に消費したり高度に汚染する産業を淘汰(とうた)、制限するなどの措置を講じて、産業構造の調整を加速させたと説明した。

 蔣氏は「南水北調プロジェクトの総合的な効果・利益はとても大きい。北方地域では300億立方メートル近くの水資源を増やし、供給先の約4兆元(1元=約15円)の域内総生産(GDP)を良質な水資源が支えた」と指摘。運用開始後は北京市や天津市(Tianjin)などの大中都市で水不足がほぼ解消されたほか、京津冀(北京市・天津市・河北省)の協同発展や雄安(Xiongan)新区の建設など国家重要戦略の実施に際しても水資源の確保に貢献してきたと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News