【12月5日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は4日、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の使用を拡大する方針を発表したが、一方でアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長はそのシステムとルールの明確化と迅速化を求めた。

 UEFAの執行委員会後に会見したチェフェリン会長は、サッカーの規則作成を行う国際サッカー評議会(IFAB)に対し、いくつかの問題を明確にするよう求める考えだとした。

 UEFAはVAR導入に注力すると強調した上で会長は、より大きな問題は公正な判定で敗れたということを認めたがらないチームやファンの存在だという。

「なぜ後戻りしないのか? それはVARが存在していなかったから負けたと考えるチームが常に存在するからだ。われわれは一つのミスのせいで負けたらいつも不平不満を言う」

「技術をより明確により早くし、割り込みを減らしていく必要がある。現状は変わらないかもしれない。だからこそわれわれは改善に努めなければならない」

 チェフェリン会長は取り組むべき問題をリストアップしている。「例えばオフサイドだ。そのラインは非常に細く、VARが引くもので、客観的な事実の主観的なラインなので多少の違和感がある」

 また、同会長はハンドに関する取り決めも問題だとした。元審判のロベルト・ロセッティ(Roberto Rosetti)氏がトップコーチのために行ったUEFAのセッションで、その基準の不一致が明確になったという。

「欧州中、世界中のトップコーチがわれわれの下を訪れたときにも不思議なことがあった。ロベルト・ロセッティがボールが手に触れたと示したとき、参加者の半分は『ハンド』と言い、もう半分は『そうではない』と言った」

 また、同会長は審判が前段階で起きたプレーを検証するときに混乱が生じるとし、11月27日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)のインテル(Inter Milan)とスラビア・プラハ(Slavia Prague)の一戦に言及した。

 この試合でインテルがゴールネットを揺らし2-0とした場面で、VARはその前にインテルが自陣エリアでファウルをしたとして得点を取り消し、逆にスラビアにPKを与えてスコアが1-1となった。

「どのぐらい前までさかのぼるのか? 5分前なのか、15分前なのか?」と疑問を呈したチェフェリン会長は、過去に「審判は『7分前にファウルがあったのでそこまで戻す』とは決して言わなかった」とし、「競技は変化しているが、あまりにも変わりすぎることを恐れている」と話した。

 IFABは来年2月29日に北アイルランドで会議を行い、同6月1日から導入されるルール変更について再度話し合う予定となっている。

 なお、UEFAは来年3月下旬に開催される欧州選手権(UEFA Euro 2020)予選のプレーオフと、2021年3月から始まる2022年W杯カタール大会(2022 World Cup)の欧州予選でもVARを使用すると発表している。(c)AFP