【12月4日 東方新報】上海緑化市容局は11月15日から、落ち葉のある景観を楽しんでもらおうと「落ち葉を掃除しない」というキャンペーンを実施している。

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 今年は42か所の落葉景観指定道路となり、昨年の34か所より増えた。掃除しない期間は場所ごとに定められ、最長12月31日までイチョウ、プラタナス、アカシア、モクゲンジなどの落ち葉と街並みが合わさった景観を楽しめる。また、落ち葉をテーマにした芸術家たちの活動も楽しめる。

 落葉景観指定道路は、周囲の歴史的建造物との景観、交通状況、市民や観光客の安全、これまでの評判などを総合的に勘案して決定される。静安区(Jingan)の常熟路(Changshu Road)から富民路(Fumin Road)にかけての地域では、おしゃれなバーやレストラン、古風な歴史的建造物などがある景観に、落ち葉の赤や黄色の鮮やかな色彩が調和して、この時期の観光名所になっている。

 昨年までは数キロメートルを対象としたが、指定区間を大幅に短縮した道路もある。中国メディアの東方網(Eastday)によると、「この取り組みは、文明の『試金石』になっている」。色鮮やかな落ち葉のじゅうたんの上にごみを捨てる市民がいれば、この取り組みは成立せず、一般市民が文明的な習慣を身に付けることが必然だという。

 また、今年から始まった分別ごみ制度も文明の試金石であるとし、優れた文明習慣を持つ市民が、文明化されていない行動をする市民に積極的に働きかけていくといった、「環境の健康」を意識する社会的雰囲気づくりが求められる。(c)東方新報/AFPBB News