【10月30日 東方新報】AIで街をきれいに―。盈峰環境ハイテクグループ製造の「都市清掃ロボット」がこのほど、湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)でお披露目された。将来的に中国主要都市で7000万台の小型AI環境衛生ロボットが導入される予定。

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 従来であれば人手に頼っていた入り組んだ路地や公園などを自動清掃できる世界初のロボットで、今後5年の推計市場規模は約800億元(約1兆2301億円)。AIビジネスの新分野を切り開くものとして注目されている。

 今回披露されたのは、都市を毛細血管のように走り、細かい路地までを清掃するAI清掃ロボット7モデルで、「都市毛細血管清道夫七兄弟」と名付けられている。清掃デモンストレーションでは通行人や障害物を認知し、よけながら路地、公園、歩道、商業区、空港や地下鉄内の広場、学校敷地内といった人通りが多く、入り組んだ場所を効率よく安全に清掃することができる全天候型で、除雪除氷も可能。有人運転も可能だが、専用のアプリをつかって5G通信による遠隔監督管理、操作に切り替えることができる。

 こうした都市環境衛生清掃業は、主に出稼ぎ農民らの安価な労働力に頼ってきた。全国で清掃員は約800万人おり、3K(危険、きつい、汚い)業務であり、農村の経済水準の向上にともない、こうした仕事を低賃金で請けおう労働力の確保は難しくなりつつある。AI清掃ロボットの登場は、清掃員不足を解消し、負担や危険を大幅に軽減するだけでなく、清掃にかかる経費全体を大きく削減できるという。

 長沙市のある環境衛生管理企業の試算によれば、清掃員65人でカバーしている地域にロボット8台を導入すれば、通年の人件費や清掃機機維持費を合わせても経費を約39%カットできるという。このお披露目の直後、10社の環境衛生清掃企業が盈峰環境ハイテクグループとその場で約7000万元(約10億7000万円)規模の契約を結んでいた。

 まもなく全国各都市の路地や公園では、疲れを知らない賢いロボット清掃員が働いている様子を目にすることができるだろう。 (c)東方新報/AFPBB News