【11月23日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)は22日、ドーピング問題を理由にロシア陸上競技連盟(RUSAF)の資格回復に向けた手続きを凍結したことに加え、同連盟を陸上競技界から完全に除名することを検討していると発表した。

 RUSAFは前日、反ドーピング規則への「重大な違反」があったとして、ドミトリー・シリャフチン(Dmitry Shlyakhtin)会長を筆頭に幹部らが暫定的な資格停止処分となった。これを受けてロシアの陸上選手は、来年の東京五輪への参加が危ぶまれる状況に直面している。

 世界陸連のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、資格停止処分となったRUSAF幹部らを「反逆グループ」と称すると、同連盟の復帰に向けたプロセスが一時停止された理由については、「われわれが応対してきた(RUSAFの)関係者全員が資格停止処分になった」ためと説明した。

 世界反ドーピング機関(WADA)の調査において、ロシアのスポーツ界でドーピングが横行していた事実が発覚すると、当時の国際陸上競技連盟(IAAF)は2015年11月に同国の資格停止処分を決定した。

 そして21日には、陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」が、ロシア男子走り高跳びのダニイル・ルイセンコ(Danil Lysenko)の居場所情報義務違反の調査中に、違反行為があったとしてRUSAF幹部に処分を科した。

 RUSAFの処遇について、世界陸連は来月9日にWADAの結論が出るまで待つとしていたが、モナコで開かれている理事会の初日を終えた後、同連盟の除名処分に加えて、同国選手が中立の立場で競技に参加するための条件に関しても、凍結を検討する意向を示した。(c)AFP