【11月13日 東方新報】上海で開催されていた第2回中国国際輸入博覧会(CIIE)が、10日に閉幕した。国家展示と企業展示に分かれ、国家展示には中国を含む64か国と3つの国際組織が、企業展示には155か国・地域から3893の企業がおよそ33万平方メートルの展示スペースに、設備機械、食品、健康、サービスなど7展示区に分かれて出展した。

 同時に虹橋国際経済フォーラムも開催され「開放、ルールとビジネス環境」「人工知能とイノベーション発展」「世界貿易機構改革と自由貿易協定」「デジタル化とeコマースイノベーション発展」「70年の中国発展と人類運命共同体」といったテーマで討論が行われた。

 今回は1回目の輸入博と比較して展示スペース、参加企業数も大きく拡大し、世界500強企業のトップ企業の参加数も増加。博覧会に合わせたイベント数も300を超え、なかでも18か省・市が文化遺産と老舗を紹介する交流イベントなどが140以上行われた。

 目玉出展品としては、スロバキアの車と飛行機機能を備えた「空飛ぶ自動車」、最大規模の展示品のドイツ製ガントリーフライス盤加工機「タウラス」、プロ選手の練習相手にもなる日本オムロン(Omron)出展の卓球ロボット、蚊にさされたほどの痛みも感じない日本テルモの出品の世界最細最短のインシュリン用注射針、米国では前立腺がん手術などに広く実用化されている手術支援ロボット「ダヴィンチ(Da Vinci)」、第1回輸入博でも話題になった3000万元(約4億6800万円)相当のピンクダイヤモンドが一面張り付けられたパンプス「春燦」や、ジミー チュウ(JIMMY CHOO)が故ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)のためにデザインした「値段のつけられない」最後一足の靴などがある。

 展示会場にある中国建設銀行(China Construction Bank)の支店は、上海で初の「5G+スマート銀行」で、5Gネットワークを使った取引、外貨兌換(だかん)などの金融サービスを多言語で行える。

 米中貿易戦争の影響などによる経済成長の減速が報じられているとはいえ、中国の購買力はIMF(国際通貨基金)が4月に公表したデータによれば米国の1.23倍で世界1位。そんな中国で開催される輸入博は、全世界の経済貿易に対して新たなバタフライ効果を引き起こすと期待されている。今回の輸入博で米企業の出展面積が一番大きく、政治的に米中関係悪化といわれるなかでも、経済上は依然として中国市場への魅力にはあらがえないようだ。(c)東方新報/AFPBB News