【11月5日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)金華市(Jinhua)孝順鎮(Xiaoshun)中心小学が導入した脳波測定用「賦思(BrainCo)ヘッドバンド」について、公衆アカウント「量子位(QbitAI)」は先日、微信(ウィーチャット、WeChat)で公開質問状を発表した。

 質問状によると、このヘッドバンドは脳波を測定することにより、生徒の授業中や作業中の注意力の集中レベルを測定・評価することができ、評価点は教師のコンピュータに転送され、成績表と同じように保護者グループにも転送・表示されるとしている。

 多くのネットユーザーは、このヘッドバンドには生徒を監視し、プライバシーが流出する懸念があると指摘。またあるユーザーは、このように生徒を監視するのは人工知能のヘッドバンドというより、保護者と教師が子どもたちを縛る道具になっているという。

 ヘッドバンドのメーカーを取材すると、すでにネット上の論争には留意しているという。ただ、小学校で使っている製品は脳の監視を行うものではなく、生徒の集中力を訓練し、改善することが目的で、学校では毎日このヘッドバンドを常用するのではなく、一週間に1回~2回しか使わないとしている。

 金東区(Jindong)教育局は先月31日、新京報に対し、本件について状況を調査し、介入した結果、すでに小学校に対して暫定的に使用禁止を命じたと回答。全区の学校に対し、監視ヘッドバンドの収集データが流出し、子どもたちのプライバシーが漏れぬよう、自主監査を命じたとしている。

 外部から出されたヘッドバンド・データに関する疑念について、メーカーの責任者は、生徒の集中力レポートを保護者に渡すことはないという。同社の教育訓練システムにはレポートを保護者に送る機能はなく、教師が全クラスのデータを見て、生徒らの状況に応じ授業のやり方を調整するとしている。

 教育学者の熊丙奇(Xiong Bingqi)氏によると、電子技術製品に革新教育の名前を冠することは、実際は反教育的なことだという。教育というものは魂や感情の入ったものであり、電子技術製品を教育実践の中で応用する場合、明確な規範が無ければならないという。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News