【11月5日 AFP】イングランド・チャンピオンシップリーグ(2部)のカーディフ・シティ(Cardiff City)は、事故死したアルゼンチン出身のエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手の移籍金1700万ユーロ(約20億円)について、フランス・リーグ1のナント(FC Nantes)に1回目の支払いを済ませなければ、3度の移籍市場で補強禁止になる可能性に直面している。

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 1月にフランスから移籍先の英国に向かう途中、乗っていた小型機がイギリス海峡(English Channel)で墜落し、28歳で亡くなったサラ選手の移籍金をめぐっては、カーディフとナントとの間で友好的解決に至ることができず、この問題は国際サッカー連盟(FIFA)の選手地位委員会に持ち込まれた。そしてFIFAは9月30日、初回の支払い分600万ユーロ(約7億2500万円)をナントに送金するよう、カーディフに命じていた。

 処分の根拠に関して4日に公表された文書では、ナントから銀行情報を知らされてから45日以内に移籍金を支払わなければ、カーディフは規則に従って「国内外を問わず、未払い金を支払うまで新たな選手の登録を禁じられ、その期間は最大で丸3回の移籍市場に及ぶ」とされている。

 ナント関係者によると、同クラブの銀行情報は「10月はじめに」カーディフに知らされているという。そのため11月半ばまでに支払いを済ませれば、カーディフは補強禁止処分を免れることができる。この関係者はAFPの取材に対して、「ナントは全員が誓約を果たすこと、そして未払い金が支払われることを期待している」と語った。

 一方のカーディフは同日、この問題に関して2週間以内にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てると発表。提訴の意向を明らかにしたことによって、45日という支払期限の時計の針が止まると主張した。

 さらに、選手地位委員会が公表した文書では、事故に関する民事あるいは刑事捜査が終了するまで、カーディフがFIFAの仲裁を遅らせる道を模索していることも明らかにされた。サラ選手の悲劇による余波が続く中、同クラブはわずか1シーズンでプレミアリーグから降格している。(c)AFP