【11月3日 AFP】米司法省が2日に公開した文書で、2016年大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営の選対本部長を務め、資金洗浄などを共謀した罪などで有罪判決を受け、別の住宅ローン詐欺などでも起訴されているポール・マナフォート(Paul Manafort)被告が、民主党に対するサイバー攻撃の黒幕はロシアではなくウクライナだと触れ回っていたことが明らかになった。

 トランプ氏やその側近らは、ウクライナが米大統領選の正当性を損なわせる目的で民主党全国委員会(DNC)のサーバーをハッキングし、ロシアに罪を着せるための証拠を残したと示唆してきた。

 トランプ氏は、誤りが暴かれたこの陰謀論や、来年の大統領選の民主党候補として有力視されているジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領について捜査を行うようウクライナ大統領に圧力をかけてきた。ウクライナ大統領への圧力は下院での弾劾調査の核心となっている。

 2日に公開された数百ページにわたる文書は、CNNとニュースサイトのバズフィード(Buzzfeed)に示された第1段の一部にすぎない。両メディアは2016年米大統領選のロシア介入疑惑をめぐるロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官による捜査資料の閲覧を求めて政府を訴えている。バズフィードによると、3月に終了したモラー氏による捜査の内部資料は分割され、今後8年にわたって毎月公開される。

 大幅に編集されて公開された取り調べの要約によると、2016年米大統領選でトランプ陣営の選対副本部長を務めたリック・ゲイツ(Rick Gates)被告は連邦捜査局(FBI)に対し、DNCにサイバー攻撃を仕掛けたのはロシアではなくウクライナだとする説を選対本部長だったマナフォート被告が側近たちに触れ回っていたと供述したという。

 2016年7月、内部告発サイト「ウィキリークス(Wikileaks)」は大量のDNCの電子メールの公開を開始し、トランプ氏の対立候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏を困らせた。米情報機関は後に、電子メールはロシアのスパイによってハッキングされ、ウィキリークスに渡されたと発表した。(c)AFP