米国の駐英外交官の妻が交通事故、容疑かけられ国外逃亡
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【10月7日 AFP】英国で死者が出た交通事故で、容疑者とされた米外交官の妻が国外逃亡したとして、英政府は出国を許可したとされる米当局を批判している。
英国のドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外相は6日までに米国のウディ・ジョンソン(Woody Johnson)駐英大使を直接呼び、遺憾の意を伝えるとともに、外交官の妻を出国させた決定の見直しを要請したことを明らかにした。
事故は8月27日、米軍が通信拠点として利用しているイングランド中部ノーサンプトンシャー(Northamptonshire)にある英空軍基地の近くで発生。カワサキ(Kawasaki)製のバイクと反対方向から走ってきたボルボ(Volvo)のスポーツ用多目的車(SUV)が衝突し、バイクを運転していたハリー・ダン(Harry Dunn)さん(19)が死亡した。
警察は、米外交官の妻(42)を容疑者とみて捜査している。報道によるとこの外交官の妻は、外交特権を主張していた。
ノーサンプトンシャー警察のサラ・ジョンソン(Sarah Johnson)署長はこの事件に関し、「容疑者と緊密に連絡を取り合う」など通常の手続きを取ったと述べ、容疑者は「われわれに全面的に協力し、近い将来出国する予定がないことを確認していた」と述べた。
米大使館の報道官は英スカイニューズ(Sky News)に対し、米国の駐英外交官の妻が事故に関与しており、家族とともに出国したと明らかにした。
さらに「こうした件においては、外国に駐在するわが国の外交官やその家族の外交特権の放棄に関するいかなる問題にも、上層レベルで細心の注意が払われる」とし、「免責の放棄は異例。そうした決定は世界的な影響を及ぼすため、この問題は慎重に扱われている」と述べた。(c)AFP