ブレグジット国民投票実施に「後悔はない」、キャメロン英元首相
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【9月14日 AFP】英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)元首相(52)は13日、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の是非を問う国民投票を実施したことは後悔していないとした一方、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)現首相が国民投票前の運動期間中に「ひどい」行動を取っていたと批判した。
2016年の国民投票で残留派を率いて敗れたキャメロン氏は、英紙タイムズ(Times)に対し、混迷する離脱交渉は「見るに忍びない」とし、国民投票を受けて政権を失ったことについては「非常に落ち込んだ」と語った。
6年間首相を務めたキャメロン氏は、16年のブレグジット国民投票を受けて辞任して以降、その心境を公にしてこなかった。同氏の待望の回想録「For the Record」(記録に残すために)は、今月19日に発売される。
キャメロン氏はタイムズ紙に対し、英国とEUの関係をめぐる国民投票は長年政治家たちがその実施を約束してきたものであり、英国を覆っている離脱派と残留派の深い分断は国民投票が実施されるかなり前から生じていたと指摘した。
キャメロン氏は「この問題に対処する必要があった。国民投票が近づいていると思われ、われわれにとって必要な改革を行った上で実施するのがいいだろうと考えた」と述べ、「だが、その努力は失敗したことを認める。EU離脱反対派の一部が非常に腹を立てているのはよく理解できる。私も離脱に反対だった」と語った。
キャメロン氏は、ジョンソン氏はEU残留と離脱のどちらを支持するか非常に悩んでいたが思いがけないことから離脱派を率いることに興味を持つようになり、最終的に国民投票で離脱派が勝利した時には非常に驚いていたと語った。
ジョンソン氏と、キャメロン氏のかつての支持者で現在は国務相として「合意なき離脱」への備えを担当しているマイケル・ゴーブ(Michael Gove)氏は離脱派を率いた。著書の中でキャメロン氏は、ジョンソン氏とゴーブ氏の2人は「ひどい」行動を取ったと批判した。
キャメロン氏はタイムズ紙に対し、ジョンソン氏とゴーブ氏は政府の一員だったにもかかわらず政府を破壊したと語った。「私は首相とは、主にテキストメッセージを通じて、少し話した。しかしマイケル(ゴーブ氏)とは、とてもいい友人だっただけに(ジョンソン首相と話すよりも)難しい」と述べた。
またキャメロン氏は、与党・保守党が合意なきEU離脱に反対する議員を実質的に追放する処分を行ったことや、ジョンソン首相が5週間にわたる議会の閉会を決めたこと、そして合意なき離脱には賛成しないと述べるとともに、EU離脱をめぐる行き詰まり打開のためには再度の国民投票の実施も「排除することはできない」と述べた。(c)AFP