【10月2日 AFP】ラグビーニュージーランド代表のFLアーディ・サベア(Ardie Savea)が、2日に行われるW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)プールBのカナダ戦で、W杯史上初めてゴーグルを着けて試合に臨むことになった。目が見えなくなることを恐れての措置だという。

 相手選手と体を激しくぶつけ合うバックローで、王者オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)の主力を担うサベアは、これまであまり知られていなかった視力の問題を本人が明かし、左目がかすんで視力も落ちていると話した。

 そのためサベアはカナダ戦で、ワールドラグビー(World Rugby)が今年、視力の悪い選手の着用を許可したゴーグルを着けることを決めた。

 サベアは「何年か前に、左目がよく見えないことに気づいた。すべてがぼやけて見えるんだ」「それで代表のチームドクターにどんどん悪くなっていることを伝えて、今回は対策を施すことにした」と話した。

「ドクターからは、ワールドラグビーがいくつかゴーグルを承認していることを教えてもらったし、みんなすごく助けてくれる。視界や見え方はかなり良いし、あとは慣れの問題だ」

 ゴーグルは着けた選手と接触した相手の両方の安全を考慮して作られたもので、代表レベルでは、片目の見えないイタリアのイアン・マッキンリー(Ian McKinley)が初めて試合で着用した。

 サベアは、このままもう片方の目も負傷したら何も見えなくなるかもしれないと気付いた時点で、迷わず今回の決断を下したという。

「右目もダメになったら盲目になるかもしれない」「僕には小さな娘がいるし、できれば子どもはもっとほしいから、そのときには目が見える状態でいたい」「だから大きな視点で考えて、自分の目を守ることにしたんだ」 (c)AFP/Chris FOLEY