【9月29日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領によるウクライナ政府への圧力疑惑をめぐり、証言を求められていた国務省のカート・ボルカー(Kurt Volker)ウクライナ担当特別代表の電撃辞任をスクープしたのは、米首都ワシントンやニューヨークの大手メディアではなく、遠く離れたアリゾナ州の学生記者だった。

【特集】トランプ政権を去った高官たち

 この学生は、アリゾナ州立大学(Arizona State University)の学生新聞「ステート・プレス(The State Press)」で編集長を務めるアンドルー・ハワード(Andrew Howard)さん(20)。トランプ氏に対する弾劾調査で議会から証言を求められていたボルカー氏が辞任したとの第一報は、ハワードさんが27日午後に伝えた。

 28日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に掲載されたインタビューによれば、ハワードさんは、このスクープに関して「特に他の取材と違う方法を取ったわけではない」という。「『これだ!』という瞬間は、みんなが探し求めているところにはないと、僕は思っていた」

 ハワードさんが主要ニュースを地元の視点で捉えようと素材を探していたところ、大学の職員が国務省のボルカー氏が辞任したと教えてくれたという。ボルカー氏がアリゾナ州立大が運営するマケイン研究所(McCain Institute)の事務局長でもあったためだ。

「僕たちがあんなスクープを入手できるとは、今まで考えたこともなかったかもしれない」(ハワードさん)

 ハワードさんが伝えた特ダネは、後に米大手メディアも先を争うように報じた。当時、ハワードさんはインターンとして地元紙「アリゾナ・リパブリック(Arizona Republic)」で働いていたという。(c)AFP