【9月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は20日、訪米中のスコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相と共同記者会見を行い、中国との貿易協議では「完全な」合意のみ受け入れるとし、トランプ氏の厳しい対中姿勢にモリソン首相からの支持を得たと述べた。

 トランプ氏は、ホワイトハウス(White House)で行われた共同記者会見で、「部分的な合意は求めていない。完璧な合意のみを求めている」と述べた。また「選挙までに解決する必要があるとは思わない」として、次の米大統領選が来年に迫っているが対中貿易摩擦の速やかな解決を求める圧力は受けていないと主張した。

 トランプ氏から異例の手厚い歓迎を受けたモリソン氏は、中国による外国企業の知的財産権侵害が相次いでいることなどの改善に向け、中国に圧力をかける米国の姿勢を支持していると述べた。

 今回は米国の対中姿勢を支持したモリソン氏だが、6月には世界の二大経済大国である米中の貿易摩擦が他の国々に与える影響に懸念を示していた。

 モリソン氏は国賓級の待遇を受けた。トランプ政権下で外国首脳が国賓または国賓級の扱いで訪米したのは、昨年4月に国賓として訪米したエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領に続き2度目。豪首相が国賓級の扱いで訪米したのは、2006年に当時のジョン・ハワード(John Howard)首相が訪米して以来のことだ。

 モリソン氏とトランプ氏は米オハイオ州ワパコネタ(Wapakoneta)にある豪所有の新工場を22日に訪問する予定。ホワイトハウスは、両首脳の工場訪問が両国の「貿易と投資の強い関係を示す」だろうとしている。(c)AFP/Sebastian Smith