【8月26日 AFP】先進7か国(G7)首脳会議(サミット)出席のためフランス南西部ビアリッツ(Biarritz)を訪れているドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は26日、中国との貿易戦争をめぐり、両国代表が「間もなく」協議を再開すると述べた。中国側の交渉責任者も「冷静さ」を呼び掛けており、両国間の緊張に緩和の兆しが現れた。

 米中両国は1年前から激しい貿易戦争を繰り広げ、数十億ドル規模の商品に双方が関税を発動。対立は先週末、激しさを増していた。

 しかし両者の関税引き上げが発表されたわずか3日後の26日、トランプ大統領はG7サミットの場で報道陣に対し、中国の「高位」の当局者から「とても、とても良い」電話が2度あったと明かした。

 トランプ氏は「昨夜、中国側から電話があり、テーブルに戻ろうと言ってきた。だからわれわれはテーブルに戻るつもりだ」と述べるとともに、中国側は「取引を望んでいる」ことも明らかにした。

 トランプ氏の発言は、中国の交渉団トップの劉鶴(Liu He)副首相による緊張緩和を目指す動きを受けたもの。中国メディアの報道によると、劉副首相は「われわれは、冷静な態度での協議と協力を通じての問題解決に前向きだ」と述べたとされる。

 これを受けてトランプ大統領は、「冷静」というのは「使うのに非常に良い言葉だ。私がよく使う言葉ではない」と語った。

 さらにトランプ氏は、米国が好調である一方、中国では「何百万もの職が失われている」ため、中国との交渉は「いつ何時よりも重要な意味を持つ」との見方を示した。(c)AFP/Sebastian Smith with Helen Roxburgh in Beijing