【9月1日 AFP】ロシアの首都モスクワで8月31日、市議選が1週間後に迫る中、野党を支持する市民らによる大規模デモが行われた。モスクワ市議選をめぐっては、野党候補の大半が出馬登録を拒否されたことから7月以降、これに抗議する「反政治弾圧の行進」がほぼ毎週行われている。

 31日のデモは当局が開催を許可しなかったが、参加者らはデモを強行。「ここはわれわれの都市だ」などとシュプレヒコールを上げながら、市中心部を行進した。モスクワ警察はデモ参加者数を約750人としているが、ロシアメディアは数千人と伝えている。

 
 これまでのデモでは警察がしばしば強圧的な対応を取り、延べ数千人が拘束されている。野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が呼び掛けた先週のデモに関しても、モスクワ検察当局は、無認可のデモであり参加した者は「責めを負う」ことになると警告したが、31日のデモは際立って穏便に行われた。

■デモ参加者に賠償求める訴訟も

 モスクワ市議選が有権者の関心を集めることは、過去にはほとんどなかった。しかしモスクワは今夏、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏の大統領返り咲きに抗議するデモが相次いだ2011~12年以来の深刻な政治危機に直面。8月10日のデモには、これまでで最大規模となる5万人以上が参加している。
 
 拘束状況や迫害疑惑などの監視NGO「OVDインフォ(OVD-Info)」によると、モスクワでは今夏のデモで約2700人が警察に拘束された。

 また、モスクワ公共交通課を含めた市内の公共機関や商店の一部は、デモ参加者らに損害賠償を求める訴訟を起こしており、賠償請求額の合計は1400万ルーブル(約2200万円)を超える。(c)AFP / Maria ANTONOVA