【8月30日 AFP】オーストラリアの世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)の環境の長期的見通しが、初めて「非常に悪い」に格下げされた。グレートバリアリーフを管理する豪政府当局が30日、発表した。

 グレートバリアリーフ海洋公園局(Great Barrier Reef Marine Park Authority)は、同サンゴ礁の状態について5年ごとに報告書を発表している。

 最新の報告書は、気候変動による海面温度の上昇が、グレートバリアリーフにとって最大の脅威になっていると指摘。「記録的な海面温度がもたらした重大かつ大規模な影響により、サンゴ礁の生息環境は『悪い』から『非常に悪い』に移行した」と報告した。

 また、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されているグレートバリアリーフを救うために、「世界、地域、現地レベルで強力かつ効果的な管理措置を講じることが急務である」と警告した。

 保守派の豪政府は環境保護活動家から、気候変動に歯止めをかけることよりも巨大な石炭鉱業と輸出産業の拡大を優先していると批判されている。

 スーザン・リー(Sussan Ley)環境相は、「報告書は気候変動がサンゴ礁にとって最大の脅威であると強調している」とその内容を受け入れた一方、政府は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」が求める措置を講じていると続けた。(c)AFP