【8月21日 AFP】サッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏が共同オーナーを務める米メジャーリーグサッカー(MLS)の新クラブ、インテル・マイアミ(Inter Miami)のホームスタジアム建設予定地から汚染物質が検出されたと、米紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)が報じた。

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 同紙は、スタジアム建設予定地のマイアミ市営ゴルフ場メルリーズCC(Melreese Country Club)の土壌を分析した結果、表面レベルで法定基準値の2倍以上のヒ素と危険物質が見つかったと伝えた。

 マイアミ空港(Miami International Airport)に隣接する131エーカー(約53万平方メートル)の土地は、インテル・マイアミの本拠地建設地となっており、10億ドル(約1065億円)をかけて複合型スタジアムの建設が計画されている。

 報道を受けてマイアミ市のエミリオ・ゴンザレス(Emilio Gonzalez)市政代行官は、同市唯一の市営ゴルフ場であるメルリーズCCの閉鎖を命じた。

 マイアミ・ヘラルド紙は、インテル・マイアミから委託された環境関連会社のEE&G社が分析した結果、ここ数か月の間に採取された土壌サンプルから高濃度のヒ素だけでなく、法定基準値を超えるバリウムとリード化合物が見つかったと伝えている。汚染の原因は、現在は使用されていない市営焼却炉だとみられている。

 同紙は、他の機関が実施した調査でも土壌から高濃度のリード化合物が検出されたとして、同じような汚染結果が出ていると報じた。

 汚染除去のコストにより、複合型スタジアムの建設計画が実現不可能になるかどうかは現時点では明確になっていない。インテル・マイアミは以前、土地の汚染除去コストとして3500万ドル(約37億円)を見積もっていると発表していた。

 2020年にMLSデビューを果たすのに合わせて、インテル・マイアミはフォートローダーデール(Fort Lauderdale)近郊に暫定スタジアムを建設することを計画している。

 ベッカム氏のグループは5月、米フロリダ州の裁判所から、かつて存在したフォートローダーデール・ストライカーズ(Fort Lauderdale Strikers)が使用していたロックハート・スタジアム(Lockhart Stadium)を解体する許可を得ており、この地に1万8000人収容のスタジアムを建設する計画を立てている。

 計画ではメルリーズCC跡地の複合型スタジアムが完成するまでの2年間、インテル・マイアミはロックハート・スタジアムを解体して建設するスタジアムを使用することになっている。ロックハート・スタジアムはインテル・マイアミが6番目に提案したホームスタジアムの候補地だった。(c)AFP