【8月21日 AFP】サッカーエジプト代表のアムル・ワルダ(Amr Warda)のセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の疑いをめぐる問題で、同国代表のスター、モハメド・サラー(Mohamed Salah)が今週米テレビ局に対して語った内容が、以前とは180度違うとエジプト国内で物議を醸している。

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 エジプト代表では今夏のアフリカネーションズカップ(2019 The Africa Cup of Nations)で、ワルダがネット上で複数件のセクハラを告発されて代表を追放されたものの、チームメートの嘆願で復帰するという出来事があった。サラーは復帰をはたらきかけたことは否定しているが、「二度目のチャンス」を与えるべきだというツイッター(Twitter)上のつぶやきが話題を呼んだ。

 ところが19日に放送された米テレビ局CNNのインタビューで、サラーはさまざまな質問に答える中で、ワルダについても直接言及し、「僕が言いたかったのは(セクハラが)以前にもあったし、現在もあるということだ。二度とこういうことが起こらないよう、彼は治療かリハビリを受ける必要がある」と以前とは逆の姿勢を示した。

 これがエジプト国内で賛否両論を呼んでいる。ある人物は「サラーはうそつきだ。彼はワルダの復帰に直接関わっていたし、ワルダを支持するつぶやきも投稿していた」とツイート。一方で若い女性ユーザーからは「私たちはモー・サラーを愛しているし、支持する!」という熱い投稿があった。

 サラー自身は、インタビューの中で「僕の立ち位置は変わらない。発言が誤解されている」と繰り返しているが、SNSでは怒りの声が上がり続けている。

 ある女性は「セクハラを擁護したくせに、欧米では自分のイメージを守ろうとするなんてみっともない。最初から別の見方をしているファンを別にすれば、もう誰もあなたにはだまされない」とつぶやき、国内と国外で態度を変えているとサラーを批判した。

 元代表GKのアハメド・ショバイル(Ahmed Shobair)氏も議論に参加し、サラーのツイートは当時のエジプトサッカー協会(EFA)会長に同調するものだと指摘している。エジプト代表は、ワルダも出場した南アフリカ戦で0-1の敗戦に終わり、チームがまさかのネーションズカップ16強敗退に終わった後、協会の理事たちが辞任している。(c)AFP