【5月4日 AFP】サッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏が共同オーナーを務める米メジャーリーグサッカー(MLS)の新クラブ、インテル・マイアミ(Inter Miami)に関して、米フロリダ州の裁判所がフォートローダーデール(Fort Lauderdale)近郊に暫定スタジアムを新たに建設する計画を承認し、これまで複雑な経過をたどっていた本拠地探しが前進した。

 ベッカム氏のオーナーグループは、マイアミから25マイル(約40キロメートル)北に位置するフォートローダーデールで、既に廃虚と化しているロックハート・スタジアム(Lockhart Stadium)を解体する許可を得るために、1日に法廷闘争に直面することを余儀なくされていた。

 ベッカム氏のグループは、インテル・マイアミが2020年にMLSデビューを果たすのに合わせて、かつて存在したフォートローダーデール・ストライカーズ(Fort Lauderdale Strikers)が使用していたこのスタジアムの跡地に、1万8000人収容のアリーナを建設する計画を立てている。

 新スタジアムの建設が3日の判決を受けて即座に始まる見通しとなったのは、計画に横やりを入れてきたスポーツエンターテインメント会社のFXE Futbolとの法廷闘争を終えてのこととなった。

 同社はロックハート・スタジアムを解体するのではなく改修する案について、地元自治体と1年にわたり交渉を続けてきたが、ベッカム氏のグループが後から同地に参入してきた形となっていた。しかしこの日の判決では、グループが6000万ドル(約66億6500万円)を投入する計画に関して、中止させる根拠はないという結論に至った。

 インテル・マイアミは来季のMLSデビューから2シーズンにわたり同スタジアムを使用する一方で、マイアミ空港(Miami International Airport)に隣接する市営ゴルフ場メルリーズCC(Melreese Country Club)に根を下ろす10億ドル(約1110億円)の計画が決まっている。

 正式にMLS参入を表明して以降、法的問題で5年間こう着状態が続くなど混乱の道をたどってきたベッカム氏の計画は、今回の判決によって新たな前進を見せた。

 グループにとって6番目の候補地となっているロックハート・スタジアムは、計画にうってつけと思われるものの、一部ファンは新チームの本拠地がマイアミ郊外になることに反発している。

 一方、チームの正式な本拠地となる計画のメルリーズCCに関しても、11月にマイアミ市のコミッショナーによる重要な投票が控えており、状況は依然として政治的に不透明かつ懐疑的な様相に包まれている。(c)AFP