【8月12日 CNS】中国の通信機器メーカー中興(ZTE)が5日午前0時から、中国市場で初めて5Gスマートフォンを売り出した。価格は4999元(約7万5000円)だ。消費者にとって重要なことは「今すぐ5Gスマホに取り換えるかどうか」だが、スマホメーカーのある社員は「4Gと5Gの併存状態はまだかなり長く続く」との予想を語っている。

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 ZTEのこの動きは、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の機先を制しただけでなく、5G時代の到来を改めて実感することになった。しかし、ネット上には葛藤する声が寄せられている。「基地局も設置されていないのに、5Gが何の役に立つのか?」「通信大手3社とも準備できていないのに」「5Gの料金用意していないよ」のほか、「5Gの回線料はどう徴収されるのか」にまで及ぶ。

 スマホメーカーやインターネット商店が5Gスマホの販売競争の緒戦の火ぶたを切る中、「中国はまだ5G通信網敷設中で、大規模な通信網ができあがるには、まだかなりの時間が必要」という紛れもない現実がある。

 非正規ルートで5Gスマホをすでに手に入れているユーザーの一人は「1か月使ってみたが、5G通信がつながる所では回線速度は比較的速いが、それ以外の場所では4Gとの差は特になかった」と話す。

 中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)の楊傑(Yang Jie)董事長は6月、「今年は50都市で5Gの商業サービスを実現する」と発表した。

 工業情報化部(MIIT)情報通信発展司の聞庫(Wen Ku)司長も「5G通信網の敷設は一歩ずつ前進しているが、通信網とスマホは互いに適合していく期間が必要だ」と述べている。

 香港に本社を置く市場調査会社カウンターポイント(Counterpoint Technology Market Research)の今年2月発表の数値によると、2018年世界の携帯電話出荷個数は前年比4%減少したという。現在、停滞傾向のスマホ業界にとって、5Gは次世代通信技術として新しい成長のよりどころを与えているといえる。

 それゆえ、このことがスマホ業界が5Gスマホの宣伝合戦を繰り広げる十分な動機となっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News